1~6歳未満の発疹は受診するべき!?
こんにちは!
今回は「1~6歳未満の発疹」で受診すべきかどうかについて、
診察の際によく聞かれるフレーズをもとに解説していきます。
①原因は何が多いですか?
この歳になると、就園する子が多く、
その結果、たくさんの感染症に遭遇する機会が増えます。
なので、「感染症による発疹」が最も多いです。
発疹を起こす感染症は、
溶連菌、アデノウィルス、EBウイルス、水ぼうそう、手足口病、突発性発疹、…
など多くの原因があります。
基本「発熱」があるので、感染症と気が付きやすいです。
感染症による発疹と間違えやすいものとしては、「川崎病」があります。
川崎病は、
過剰な免疫反応(高サイトカイン血症)を起こした結果
おこる病気となります。
原因ははっきり分かっておりません。
これも熱が出るものとなります。
アレルギーが原因のことも多いです。
この歳になると、初めて食べるものがどんどん増えていきます。
その結果今まで知らなかったアレルギーが分かり始める時期でもあります。
アレルギーの特徴としては、
食べて少ししてから、「発疹」が出ます。
その他に、「嘔吐」「下痢」「不機嫌」「息がゼーゼーする」
などがあります。
このような症状がみられた場合は緊急である可能性が高いので、
すぐに病院に受診しましょう。
その他、そこそこ見られるものとして、
IgA血管炎(アレルギー性紫斑病)があります。
これは、3~10歳に最も多く、男の子が少し多い傾向があります。
次のようなエピソードの時は可能性があります。
「1~2週間前くらいに風邪をひいた(先行感染)。」
「その後、手足に紫色の点状のポツポツが出てきた(紫斑)。」
「股関節とか、膝、肘の関節のところが痛い。」
「足がむくんでいる。」
「お腹が痛い。」
このように、先行感染があり、その後症状がある場合は、
IgA血管炎の可能性があります。
ほとんどの子は治りますが、腎臓にダメージが出る子もいますので、
病院に受診する必要があります。
可能性があると感じたら、早めに病院に受診しましょう。
微妙な症状で、ご相談したい場合は、お気軽にお問い合わせください。
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②発疹はキレイに治りますか?
大切なお子さんの見た目のことなので、
毎回のように、「きれいに治りますか?」と聞かれます。
ほぼ全ての発疹が元通りキレイに治ります。
子どもの皮膚は成長段階であることもあり、
大人と比較して、よりキレイに治ります。
発疹にも、「目立たないもの~とても痛々しい見た目のもの」まで、
とてもいろいろな種類の発疹があります。
しかし、治るまでの期間に差は多少あるものの、
ほぼ全て完治すると思ってください。
③様子を見ても大丈夫ですか?
この頃の年齢ですと、一度小児科医に相談する方が安心です。
発疹の見た目が「軽いそう」、「重そう」ではなく、
何が原因でこの発疹が起こっているのかを見つけることが大切です。
中には、「ちょっとした感染によるものかな?」と思っていたら、
実は「川崎病」という可能性もあります。
川崎病は後遺症に心臓の血管にコブ(瘤)を作ることがあるので怖い病気です。
また、
アレルギーによる発疹の可能性もあります。
基本的に、アレルギーの場合、
「1度目の症状より、2度目の症状の方が重症になりやすいです」
いわゆる「アナフィラキシー」という状態です。
これを起こさないためにも、病院受診をして、
危険がないか相談する必要があります。
ですので、
1~6歳未満で発疹がみられたら、
基本的には病院に行って、大丈夫なものか、
一度診察してもらいましょう。
④アレルギーが心配です
アレルギーには、
食事、薬、花粉、動物などがアレルギーの原因としてあります。
発疹の原因となるのは、「食事」「薬」「動物」が多いです。
食事:
この頃だと、
初めて口にするものが、とても多い時期となります。
食事で特に多いものですと、
「牛乳、卵、小麦」が挙げられます。
これらは、症状が強く出ることが多いものです。
(もちろん個人差はあります。)
今はアレルギー外来がとても進歩してきており、
早期から負荷試験を行うことで、
その食品が食べれるようになる子が増えてきました。
食物アレルギーかもと思ったら、一度小児科医に相談しましょう。
その食物に対して本当にアレルギーがあるのか分かりますし、
早く分かれば、早期から負荷試験を行っていけます。
薬:
この時期になると、たくさん感染症にかかり、
薬を飲む機会も多くなります。
その時に「抗生剤」や「解熱剤」にアレルギー反応が出ることがあります。
その場合は、すぐに中止して、小児科医に相談しましょう。
動物:
「飼い猫に噛まれた」、「ハムスターに噛まれた」などで
「発疹」が起こる子がいます。これは注意です。
1回目よりも、2回目以降は特に注意が必要です。
動物のアレルギーですと、とても強く反応が出ることがあります。
「アナフィラキシー」という状態になる子もしばしば経験します。
普段飼っているから大丈夫ではなく、
もし仮に、発疹が見られた場合は、早めに受診しましょう。
薬を処方される場合もあります。
⑤治療はどうなりますか?
感染症:
感染症そのものが治るのを待つことになります。
発疹にかゆみが伴う場合は、かゆみ止めの薬を処方します。
しかし、発疹そのものを治す治療はあまりしません。
発疹が残ることはまずありませんので、ご安心を。
川崎病:
これはまず診断が難しくなるので、治療開始が遅れることがあります。
治療法としては、特殊な治療(グロブリン注射(輸血の一種))が必要です。
これをすると基本的には発疹も治ります。
アレルギー:
アレルギーに対しては、「抗ヒスタミン剤」というものを使います。
かゆみ止めのお薬と同じものです。
アレルギー症状を軽くしてくれます。
IgA血管炎:
これは根本的な治療薬は基本的にはありません。
痛みには痛み止め、腹痛にはステロイドなど、
症状を軽減する治療を行っていきます(対症療法)。
◎まとめ
発疹の原因として多いのは、「感染症」がトップ。
「食物アレルギー」も増えてきます。注意しましょう。
重症の場合もあるので、発疹が出たら小児科医に相談しましょう。
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