扁桃炎を繰り返す、実はPFAPA??
こんにちは!
今回は、扁桃炎を繰り返すお子さんで、ここ最近話題となっている「PFAPA」について説明します。比較的新しい概念の病気なのであまり聞いたことがないかもしれません。
①PFAPA症候群とは??
PFAPA症候群とは、自己免疫によって扁桃に炎症が起こり、症状が出る病気と言われています。何が原因で自己免疫が働くかに関しては、未だにはっきりとしていません。
ただ、普通の感染症とは異なり、抗生剤などが効かない病気となります。
PFAPA症候群とは、「症候群」なので、ある症状が揃うと診断されます。「PFAPA」という名前もそれぞれの症状の頭文字から来ています。
「Periodic Fever」=「周期性発熱」
「Adenitis」=「リンパ節炎」
「Pharyngitis」=「咽頭炎」
「Aphthosis」=「アフタ症」
数か月に1回は喉の風邪をひいて小児科に受診している子の中には、PFAPA症候群の子もいるかもしれません。
よく熱が出るが、抗生剤がなかなか効かずに、でも気が付いたころには治っているというのが特徴となります。また、採血結果は比較的ひどくなることが多く、近くの小児科から、大きな病院に紹介されることが多い病気です。
5 歳以下の乳幼児期に発症し、大半は 8 歳頃までに自然治癒する予後良好の疾患といわれていますが、大きくなっても続く子も中にはいます。
②どのような症状が出ますか??
特徴的な症状は、「発熱」です。
それに加え、「咽頭痛」「口内炎」「首のリンパ節腫脹」が出てきます。
症状は、3~6日程度続きます。
口や喉の痛みがひどいと、食事を飲み込むことさえ困難になり、場合によっては、入院して点滴をする必要も出てきます。
発熱は、1~2か月おきに、時に一定の間隔で起こります。発作と発作の間は健康で、成長も問題ありません。
また、これら以外にも別の症状は起こります。
全身倦怠感、関節痛、腹痛、頭痛、嘔吐、下痢などの、風邪の時に見られる症状も起こります。
個人差がありますので、ひどい場合は病院に受診しましょう。
③遺伝はしますか?
まだはっきりとは分かっておりません。原因となる遺伝子も現段階では発見されていません。
ただ、ご両親で扁桃が大きい方がいると、お子さんも比較的大きい印象があります。もしかしたら、今はまだ発見されていない原因が今後見つかってくるかもしれません。
④治療法・予防法
基本的には、対症療法となってきます。
発熱や喉の痛みなどに対して、「アセトアミノフェン」や「NSAIDs」といった解熱鎮痛薬を使います。
症状が強くて、食欲や水分がなかなか採れないという子は、入院して点滴をする必要が出てきます。
なかなか解熱しない場合に、ステロイドを使う場合もあります。ステロイドを使用すると、熱は比較的すぐに下がります。しかし、ステロイドを使用した場合、発作と発作の間隔が早くなってしまう可能性があります。
ステロイドはとても効果的な薬ではありますが、メリットとデメリットをしっかり考慮した上で、使用するかの判断をする必要があります。
予防薬としては、「シメチジン」が一般的には知られています。ヒスタミン H2レセプター拮抗剤です。
色々と報告はありますが、シメチジンを予防内服することで、約50%以上の方がPFAPA症候群の発症を改善できたという結果も出ています。副作用が大きい薬ではないので、比較的安心して使うことが出来ます。
最後に、原因となる扁桃を取ってしまう方法もあります。「扁桃摘出術」です。
基本的には扁桃を取ると、扁桃腺炎は起こらなくなります。なので、一番手っ取り早い方法ではあります。
本来扁桃は、ウィルスや細菌などの病原菌から体を守る免疫の役割を果たしています。しかし、扁桃腺を取ったからといって、ほとんど体には影響はありません。なので、取ること自体は問題になりません。
一番問題となるのが、全身麻酔による手術になるので、「手術の手技によるリスク」や、「出血のリスク」などがあります。
また、PFAPA症候群の子でよくあるのが、手術を予定していたが、そのタイミングで発熱が起こってしまうことです。熱が出て扁桃腺に炎症が起きていると、扁桃が腫れるので取る範囲が大きくなりますし、血流も増えいているので、出血量も増加してしまいます。なのでまた予定は仕切り直しとなります。
以上が、治療法、予防法になります。
◎まとめ
PFAPAとは、比較的新しい概念の病気です
ひどい子だと、月1回症状が出る場合もあります
治療法、予防法もありますので、小児科医に一度相談しましょう!
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