食物アレルギー:「鶏卵」アレルギーについて
こんにちは!
今回は食物アレルギーの中でも、
「原因食物別」で詳しく解説していこうと思います。
今回のテーマは「鶏卵アレルギー」です。
ぜひ参考にしてください。
①アレルギーについてまずは理解しよう!
アレルギーと付き合っていくためには、アレルギーをある程度理解することが必要不可欠です。アレルギーについて簡単にまとめていますので、以下の記事を参考にしてください。
ぜひご家族に知っていただきたい事をまとめています。アレルギーについてまだ少し分からないことがある方は、サラッとでいいので目を通してください。
②「鶏卵アレルギー」のポイント
■アレルギーの強さ:卵白>>卵黄
鶏卵アレルギーの主な原因は「卵白」です。
なので、「卵黄」から食べれるようになることが多いです。
■加熱によりアレルゲン性が低下
アレルゲン性(アレルギーの強さ)は「加熱温度」「加熱時間」「調理方法」によって変わってきます。基本的には加熱によってアレルゲン性が低下するといわれています。
なので、加熱卵が食べれても、生卵や半熟卵は注意する必要があります。
■卵は、「鶏肉」「魚卵」とは別物!
鶏卵が食べられないからといって、鶏肉や魚卵に関しては、別物となってくるので、基本的には除去する必要ありません。
■卵殻カルシウム(焼成・未焼成製品)は接種可能!
卵殻カルシウムはカルシウムの補強や、小麦粉のコシを出すために加工食品に添加されます。
卵殻カルシウムには2種類のものがあり、
・高温で処理された焼成カルシウム
・高温処理されていない未焼成カルシウム
焼成カルシウム:卵のタンパク質が残留していないため、食品衛生法で卵の表示は不要
未焼成カルシウム:確認不十分のため、卵の表示が必要。
どちらも基本的には食べても問題ありません。
■うずらの卵は、食品表示法において「卵」となる
うずらの卵の反応の強さは鶏卵より少し弱い傾向があります。しかし、鶏卵アレルギーの方の約半数がうずらの卵にも反応するので、鶏卵と同様に除去することが必要です。
③「完全除去」のポイント
●食べられないもの
「鶏卵」「鶏卵を含む加工食品」「その他の鳥の卵(うずらなど)」
※除去する必要がないもの:鶏肉、魚卵
鶏卵を含む加工食品の例:
マヨネーズ、練り製品(かまぼこ、はんぺんなど)、肉類加工品(ハム、ウインナーなど)、調理パン、菓子パン、鶏卵を使用している天ぷらやフライ、鶏卵をつなぎに利用しているハンバーグや肉団子、洋菓子類(クッキー、ケーキ、アイスクリームなど)
●鶏卵を使わない調理の方法
■肉料理のつなぎ:
片栗粉などのでんぷん、すりおろした芋やレンコンをつなぎに使う
■揚げ物の衣:
水と小麦粉や片栗粉などのでんぷんを溶いて、衣として使う
■洋菓子の材料:
プリンなどはゼラチンや寒天で固める
ケーキなどは重曹やベーキングパウダーで膨らませる
■料理の彩り:
カボチャ、トウモロコシ、パプリカ、ターメリックなどを使う
●鶏卵の主な栄養素と代替栄養
鶏卵Mサイズ1個(約50g):タンパク質(6.2g)
⇒肉 薄切り2枚 :(30-40g)
魚 1/2切 :(30-40g)
豆腐(絹ごし)1/2丁 :(130g)
主食(ごはん、パン、麺)、主菜(肉、魚、大豆製品)、副菜(野菜、イモ類、果物)のバランスに気を付けましょう。
●鶏卵アレルギーの表示
1.容器包装された加工食品
鶏卵は容器包装された加工食品に少しでも含まれる場合、表示する義務があります。
⇒原材料表示欄に「鶏卵」がなければ接種できます。
・鶏卵の代替表記:たまご、鶏卵、あひる卵、うずら卵、タマゴ、玉子、エッグ
・鶏卵の特定加工食品:マヨネーズ、かに玉、親子丼、オムレツ、目玉焼き、オムライス
※上記の代替表記、特定加工食品も食べれません。
※「卵殻カルシウム」は摂取することが出来ます。
2.容器包装されていない料理や加工食品(飲食店、惣菜など)
包装されていないものは、どの原材料でも表示の義務はありません。
少しでもひどい症状が出る子は、特に注意する必要があります。
④栄養、食事についてのポイント
男女別の食事摂取基準はこちらを参考にしてください。
(1日に必要な、エネルギー、たんぱく質、ビタミンD、カルシウム、鉄など)
1.鶏卵は安価で質のいいタンパク質です。
→肉、魚、大豆製品などで補いましょう。
2.鶏卵不使用の魚や肉加工品(ちくわ、ウインナー)や、マヨネーズ風の調味料もあります。また、「小麦」「牛乳」アレルギーがなければ、食パンやコーンフレークなどは鶏卵不使用の製品がたくさんあり利用できます。
3.鶏卵を含まないクッキー、ビスケット、ゼリーなどは、「給食のおやつ」「外食時の携帯食」として利用できます。
4.天ぷらの衣や、ハンバーグのつなぎは、イモ類やでんぷんが代わりに利用できます。
⑤「食べられる範囲」に基づく食事
「食べられる範囲」とは、
「経口負荷試験により、医師が決めた食べても安全な量」
(経口負荷試験については、こちらを参考にしてください。)
調理法によっても症状の出やすさも変わってくるので、そこも医師に判断してもらいます。また、加工食品は鶏卵の量が一定ではないので注意が必要です。
経口負荷試験で食べれる量を
「少量」「中等量」「日常摂取量」
に分類します。
(「少量」で症状が出た場合は完全除去です。)
※決して、決められた以上の量を食べてはいけません。
●「少量の場合」
=「加熱卵黄1個、加熱全卵1/32個相当」
負荷試験で食べたものと同じものを、同じ量だけ食べることが出来ます。
しかし、加工品は食べれません。
●「中等量の場合」
=「加熱全卵1/8~1/2個相当」
負荷試験で食べたものと同じものを、同じ量だけ食べることが出来ます。
それでも問題なければ、医師の判断で加工品をトライできます。
【加熱全卵1/8個食べられれば、安全に食べれる可能性が高いもの】
鶏卵を含む加工品 | 量 |
ロールパン | 2個まで |
ウインナー | 2本まで |
ちくわ | 1-2本まで |
クッキー | 2枚まで |
ドーナッツ | 1/2個まで |
調理法、加熱時間、鶏卵の量によって症状の出やすさは変わるので注意が必要です。
●「日常摂取量の場合」
=「加熱全卵1個相当」
負荷試験で食べたものと同じものを、同じ量だけ食べることが出来ます。
また、症状が特になければ、医師の判断で加工品も食べられます。
ただし、生卵、温泉卵、プリン、茶碗蒸し、オムレツ、かきたま汁などは、症状が強く出る可能性があるので、医師に確認しましょう。
◎まとめ
鶏卵の代わりとなる食品はたくさんあります
アレルギーは「食べられる範囲」を継続することが大切です
調理法でもアレルギ―の強さは変わるので注意しましょう!
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