３ヶ月未満の赤ちゃんの嘔吐は怖い！？

こんにちは！

今回は「3ヶ月未満の赤ちゃんの嘔吐」で受診すべきかどうかについて、
診察の際によく聞かれるフレーズをもとに解説していきます。

①吐いたらすぐに受診するべきですか？

赤ちゃんが吐く原因としては様々なものがあります。

以下のことを観察してください。

　　１．熱がないか。
　　２．いつから吐くようになったか。（生まれた直後から？最近から？）
　　３．飲むと毎回吐いてしまうのか。
　　４．飲むと時々吐いてしまうのか。　　

これらがとても大切になってきます。

　　１．熱がある場合、

感染症による嘔吐が起こっている可能性があるので、病院に受診しましょう。

（胃腸風邪のこともあれば、髄膜炎、脳炎・脳症などの可能性もあります。）

特に生後３ヶ月未満は、入院適応になりますので、早めに病院に受診するべきです。

　　２．いつから吐くようになったか、

これもとても大切になります。

生後すぐに吐くようになった場合、

溢乳、胃食道逆流、過量摂取などもあれば、
胃や腸管の構造の問題のこともあります。

溢乳、胃食道逆流、過量摂取の場合は、
基本的には「口からタラー」と、垂れるように嘔吐します。
これらは、ゲップをしっかり出させることと、縦抱きの時間を少し長くすることで、
対応していきます。病院受診は必須ではありません。

胃や腸管に問題がある場合、
肥厚性幽門狭窄症、腸軸捻転、先天性消化管閉鎖などがあります。

これらも基本的には生後すぐに見られるもので、大量に「ゴボッ」と吐いてしまいます。

これは飲んでも飲んでも大量に嘔吐するので、生まれてすぐ見つかることが多く、
１ヶ月以上経ってから見つかることは少ないです。

なので、家に帰ってから見つかるというケースは少ないです。

生後１ヶ月くらい経ってから、嘔吐が出てきた場合は、

飲む量は増えるので、
溢乳や過量摂取のこともあれば、便秘によってお腹が張ってしまうことが
原因のこともあります。

いづれにしても、腸管などの構造の異常というのは少なくなってきます。

　　３,４．飲むと毎回吐くのか、時々吐くのか

これも大切なポイントになってきます。

毎回吐く場合は、
胃食道逆流、腸管の異常など

時々吐く場合は、
溢乳、ゲップが上手くできていないなどが

考えられます。

毎回吐く場合は、何か病気が隠れている可能性もありますので、
気になることがあれば、病院に受診しましょう。

②吐きすぎて脱水になっていないか心配です。

赤ちゃんは体に蓄えておける水分が大人に比べ少ないので、
容易に脱水になってしまいます。

さらに赤ちゃんは脱水になってしまうと、飲みたがるよりも、
ぐったりしてしまい、飲む意欲が減ってしまいます。

まず、脱水の評価としては、

　　□唇が乾燥していないか
　　□肌が乾燥していないか
　　□涙は出るのか
　　□おしっこは出ているか

をチェックしましょう。

見るだけなので、だれでも簡単に判断できます。

少しでも心配であればすぐに病院受診しましょう。

またその時に、

どのような嘔吐だったのか（大量or少量）？
何回くらい嘔吐したか？
吐いたものはミルク色？それとも緑色？

これはとても大事なキーワードになるので、注意して観察して下さい。

③嘔吐以外のどのような症状に注意しますか？

何といっても発熱です。

この頃の発熱は重症である可能性が高いので、必ず受診する必要があります。

特に３ヶ月未満なので、必ず受診です。（こちらをクリック）

次に下痢があったら注意です。

これは感染症、特に胃腸風邪や腸炎の可能性があります。

嘔吐＋下痢がある場合、
急速に脱水が進行します。

赤ちゃんの脱水は重症化しやすいので、点滴などの治療を受ける必要が出てきます。

嘔吐＋下痢　→　受診

を心がけましょう。

最後に便秘による嘔吐です。

これは便秘でお腹が張ってしまって、苦しくて嘔吐してしまうことです。

この場合、便を出すために、病院で浣腸してもらうとすぐに治ります。

綿棒浣腸でよくなればいいですが、（やり方はこちらをクリック）
良くならないときは、浣腸が手っ取り早いです。

気になることがあれば早めに受診しましょう。

④どのような嘔吐だと危険ですか？

まずは何といっても、

大量に「オエーッ」と出る嘔吐です。

これは明らかに異常です。

ご両親から見ても「明らかにいつもと違う」となりますので、すぐに気が付けます。

この原因として考えられるのは、髄膜炎、腸重積などといった原因です。

髄膜炎だと、発熱も起こります。
腸重積だと、泣いたり泣き止んだりを繰り返します。　（詳しくはこちらをクリック）

このような特徴がみられないかはチェックしておきましょう。

またせき込み嘔吐も続くときは注意です。

肺炎や百日咳、喘息などでせき込んだ時に嘔吐することもあります。

この場合だと、病院受診して薬の処方が必要な時もあるので、
悪くなる前に、早めに受診しましょう。

あとは、

必ず吐物の色のチェックも忘れずに！

ミルクみたいな白色、血が混ざっている、緑色、など
様々な色で原因は変わってくるので必ず確認しましょう。

◎まとめ

嘔吐にも様々な原因がありますが、脱水は怖いので心配なら早めの受診を。

嘔吐に加え、熱や下痢があれば受診しましょう。

また、嘔吐の色、吐き方もしっかり観察しましょう。

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