1~6歳未満の嘔吐は受診するべき?
こんにちは!
今回は「1~6歳未満の嘔吐」で受診すべきかどうかについて、
診察の際によく聞かれるフレーズをもとに解説していきます。
①原因は何が一番多いですか?
1歳を超えてくると、先天的な病気よりも(もっと早期に見つかる)、
「感染症」による嘔吐が多くなってきます。
特に、「発熱、下痢」の症状も一緒に見られることが多くなってきます。
他にも、
「アレルギー」などもみられます。
この時期は食べれるものがどんどん増えていきます。
ですので、アレルギーが発見されやすくなります。
特にご家族で食物アレルギーを持っている人がいると、
お子さんもアレルギーを持っている可能性は増えます。
この時は嘔吐以外にも、
「下痢、腹痛、発疹」などがあります。
基本的には、「発熱はない」ので、
そこは感染症と区別するポイントとなります。
あと、この時期に可能性があるものとしては、
「腸重積」、「虫垂炎」があります。
どちらも腸の病気です。
まず、「腸重積」です。(こちらをクリック)
腸管と腸管がはまってしまい、通過障害を起こす病気です。
チェックするポイントとしては、
□不機嫌、腹痛がありそう。
□何回も嘔吐している。
□泣いては、落ち着き、また泣くを繰り返す。(30分~1時間おきなど)
□落ち着くときは何事もなかったかのように元気。
□便が粘液混じりの血便(イチゴゼリー状)。
これらがみられたときは、すぐに病院に受診しましょう。
次に、「虫垂炎」です。(こちらをクリック)
これは、「腸での感染症」なので、基本的には「熱」が出ます。
チェックポイントとしては、
□最初は、みぞおち付近が気持ち悪かったり、痛かったりしていた。
□その後徐々に、お腹の右下に痛みが移動してきた。
□痛みの強さに波はなく、ある一定の痛みがずっと続く。(特に右下腹部)
子どもの虫垂炎は破れやすいので、
とても怖い病気です。
しかも、よく子どもがかかる病気なので、チェックポイントで当てはまれば、
すぐに病院に受診しましょう。
②よく嘔吐を繰り返しています。
「昔からよく吐きやすい子です。」
「ここ最近よく吐くようになりました。」
このような訴えは、ご両親からよくお聞しきます。
「いつもみたいに嘔吐をしているが、数日したら普段通りになるから大丈夫。」
というように思われている方も多いと思います。
ほとんどは大丈夫ですが、
以下のチェックポイントに注意しましょう。
□1-2か月に1回くらい嘔吐する。
□ここ最近嘔吐する回数が増えてきた。
□頭痛を訴えている。
これらがある場合は、一度病院に受診しましょう。
定期的に嘔吐を繰り返す原因としてあるのは、
「周期性嘔吐症」
「てんかん」
「頭蓋内疾患(脳腫瘍など)」
が挙げられます。
これらの病気が隠れている可能性があるので、
一度病院に受診してみましょう。
③何に気を付ければいいですか?
嘔吐で怖い症状としては、
「脱水」があります。
次に、「低血糖」などもあります。
まず、「脱水」は
以下のポイントに気を付けましょう。
□唇が乾燥していないか
□肌が乾燥していないか
□涙は出るのか
□おしっこは出ているか
この年齢になってくると、
こまめに水分を採ることが出来るようになってきます。
しかし、中には「どれだけ頑張っても、吐いてしまう」こともあります。
この場合、点滴をする必要が出てくるので、病院に受診しましょう。
次に「低血糖」は、
嘔吐の時に体の中に「ケトン」という物質が溜まります。
それによって「低血糖」が起こることがあります。(ケトン性低血糖)
この時は、明らかに「ぐったり」としています。
この場合も病院で点滴をする必要があるので、
家で様子を見るよりも、早めに病院受診しましょう。
④吐いたものに血が混ざっていました。
強いストレスがかかった時などに、
胃の粘膜が少し傷つき、血液が混ざることがあります。
たいていは、少し赤いか、かさぶたの様なものが混ざったりします。
この場合は、緊急性のある病気の可能性は低いです。
しかし、
真っ赤な血液(鮮血)がみられたときは、
出血が比較的多いということなので、
早めに病院受診する必要があります。
気になることがあれば早めに受診をしましょう。
◎まとめ
感染症、アレルギー、腸の異常などが原因のことが多い。
脱水の可能性がある場合は、すぐに病院受診をしましょう。
嘔吐が数か月に1回続く場合も病院受診をしましょう。
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