0~1歳の下痢は病院へ受診するべき??

こんにちは!

今回は「0~1歳の下痢」で受診すべきかどうかについて、
診察の際によく聞かれる4つのフレーズをもとに解説していきます。

①下痢の原因は何ですか?

この時期の子は様々な原因で下痢が起こります。

突然、下痢が起こるものとしては(急性)

  □感染症
  □ミルクアレルギー
  □乳糖不耐症
  □抗生剤使用
  □過量摂取

日ごろから下痢が続くものとしては(慢性)

  □胆道閉鎖症
  □セリアック病

があります。

感染症は、
ほとんど全員で「発熱」がみられ、
「腹痛、嘔吐」など、その他の症状も伴います。

ミルクアレルギーは、
「もともと完全母乳で、ミルクをあげ始めたら下痢になった」
という子が疑わしくなってきます。
一度病院受診して調べてもらいましょう。

乳糖不耐症は、
牛乳の中の「乳糖(ラクトース)」を消化吸収するための、
「ラクターゼ」という消化酵素が、小腸で分泌不足となり起こります。
「消化不良、腹痛、下痢」などの症状がでます。
個人差もあり、この量だったら大丈夫という子もいます。
先天的にラクターゼの分泌がない「先天性乳糖不耐症」の子もいます。
しかし、診断がつけば、
特殊なミルクや、ラクターゼ製剤を使うことで、対処できます。

抗生剤使用は、
感染症の時に細菌を倒す作用がありますが、
同時に、腸内細菌まで倒してしまうことがあります。
その結果、腸内細菌叢(そう)の乱れが生じ、下痢が起こることがあります。
「整腸剤」を飲むことで対応していきます。

過量摂取は、
そのままの意味で、水分の取りすぎで、
体に必要ない水分は腸からは吸収されないので、
ウンチも水っぽくなります。

胆道閉鎖症は、
生まれた直後から症状が起こるもので、
特徴としては、
下痢よりは「緩い便」といった感じで、
色は「薄黄色~白っぽい色」となります。
これは手術が必要になるので、すぐに病院受診が必要です。

セリアック病は、
「小麦」、「大麦」、「ライ麦」などに含まれる、
タンパク質の「グルテン」に対する遺伝性の不耐症で、
小腸の粘膜に炎症が起こり、吸収不良が起きます。
「腹部膨満、非常に強い悪臭がする大量の便」、などがみられます。
アフリカ、日本、中国では極めてまれで、北欧系の人にみられる遺伝性の病気です。
グルテンを避けることで、症状なく過ごすことが出来ます。

②何に注意すればいいですか?

0~1歳では、体に水分を蓄える「余力」が、
体が小さい分、大きい子に比べて少なくなります。

ですので、
脱水になりやすくなります。

また他にも注意すべきことはたくさんあります。

以下に当てはまれば、すぐに病院へ受診しましょう。

  □下痢の回数が多い、1回量も多い
  □便の色が、「赤色」や「白色」や「緑色」
   (正常でも緑になることもあります。)
  □顔色が悪い
  □発熱がある
  □水分がとれない、吐いてしまう
  □意識状態が普段と違う
  □おしっこの量が少ない
  □唇や肌が乾燥している
  □お腹が張っている

などがあります。

この1つでも当てはまるようなら、病院へ受診しましょう。

ちなみに、
「赤い便」→腸炎で腸管の粘膜がダメージを受けて血が混じります。
      腸重積の可能性も。(詳しくはこちらをクリック)
「灰色便」→ロタウイルスの可能性あり。酸味の強い発酵臭がします。
「緑色便」赤ちゃんは正常な便でも緑色になります。
      しかし、熱があるときは、
     「サルモネラ」などの細菌感染の可能性もあります。

③脱水になっていないか心配です。

この時期で脱水が心配な場合は、
迷わずに、早めの受診をしましょう。

特に体の小さい時は、水分を蓄える「余力」ありません。
なので、脱水になる前に点滴などの治療が必要となります。

脱水かどうかは以下のポイントで見ていきます。

  □唇が乾燥していないか
  □肌が乾燥していないか
  □涙は出るのか
  □おしっこは出ているか

これらがみられる場合はすぐに病院へ受診しましょう。

ただし、脱水になってからでは遅いので、
「下痢症状がみられたらすぐに受診する」を心がけましょう。

④下痢はありますが、哺乳力は落ちていません。

この時期は水分維持のための「余力」がないので、
哺乳力はあっても今後落ちてくるかもしれません。
早め早めの受診をして、一度小児科医の診察を受けましょう。

◎まとめ

原因はいろいろあります。どのような下痢なのか、しっかり観察しましょう。

0~1歳の下痢は脱水の可能性があるので、病院へ受診しましょう。

脱水になると遅いので、「早め早めの受診」を心がけましょう。

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