食物アレルギー:「大豆・魚・魚卵・甲殻類・ピーナッツ・ナッツ・ゴマ・野菜、果物・そば・肉」
こんにちは!
今回は食物アレルギーの中でも、
「原因食物別」で詳しく解説していこうと思います。
「鶏卵、牛乳、小麦」についてはこちらを参考にしてください。
もくじ
①アレルギーについてまずは理解しよう!
アレルギーと付き合っていくためには、アレルギーをある程度理解することが必要不可欠です。アレルギーについて簡単にまとめていますので、以下の記事を参考にしてください。
ぜひご家族に知っていただきたい事をまとめています。アレルギーについてまだ少し分からないことがある方は、サラッとでいいので目を通してください。
②「大豆アレルギー」のポイント
■大豆以外の豆類は大丈夫なことが多い
大豆はアレルギー症状が出ても、他の豆類のでは問題ないことが多いです。なので、豆類をひとくくりに除去する必要はありません。
■大豆油は安全
大豆油は精製されているので、基本的には除去する必要はありません。
■醤油、味噌も大丈夫なことが多い
醸造過程でアレルゲンがほぼ分解されるので、食べれることが多いです。
■納豆、豆乳には注意!
豆腐が摂取できても、納豆や豆乳で症状が出ることが稀にあります。
<栄養・食事のポイント>
■大豆は加工食品に多く含まれる
大豆を含む原材料や食品添加物は数多く加工食品に使われています。必ず表示確認をする必要があります。
※ただし、アレルギー表示の「推奨品目」であるため、原材料にアレルギー表示されないこともあるので、注意しましょう。
■醤油・味噌のアレルギーがあるとき
調味料に関しては、米や雑穀から作られたもので代替できます。
③「魚アレルギー」のポイント
■大丈夫な魚、ダメな魚
魚アレルギーは、アレルギー症状が出るもののあれば、出ないものもあります。なので、全ての魚を除去する必要はありません。問診や経口負荷試験で安全な魚を見つけていきましょう。
■鮮度に注意!!
魚は鮮度が下がると、ヒスタミンが作られ、かゆみ、蕁麻疹などの原因になります。ただし、これは食物アレルギーとは別のものなので、しっかりと区別して考える必要があります。
■アニサキスに注意
アニサキスが原因でアレルギーになることもあります。
■除去について
青魚・赤身魚などと区別したり、魚皮・身の色などと区別するのは特に根拠はありません。経口負荷試験で食べれるかは確認するようにしましょう。
■ダシについて
かつお、いりこなどのダシは、除去はいらないことが多い。
<栄養・食事のポイント>
■肉、大豆加工品などを上手く使う
仮に魚すべてを除去したとしても、肉類や大豆加工品などでたんぱく質はカバーできる。
■ビタミンD不足に注意!
魚全般を除去していると、ビタミンD不足になるリスクが高くなります。卵黄、きくらげ、干ししいたけ、アレルギー用ミルクなどで足りない分を補うことが大切です。
■ダシの工夫
魚のダシを除去する必要があれば、しいたけ、昆布、肉のダシを利用できます。
④「魚卵アレルギー」のポイント
■乳幼児期は注意!
初めてイクラを食べた時でも、症状が出る可能性もあります。注意しましょう。
■魚卵はひとくくりに除去しない
いくら、たらこ、ししゃもの卵、ワカサギの卵、カズノコ、とびこなど、様々な種類がありますが、ひとくくりに除去する必要がありません。経口負荷試験で食べれるか確認したうえで摂取しましょう。
⑤「甲殻類、軟体類、貝類アレルギー」のポイント
■甲殻類(特にエビ)に注意!!
甲殻類(特にエビ)は、食べた後に運動すると、食物依存性運動誘発アナフィラキシーになる可能性が高くなります。アレルギーがある方は注意が必要です。
■甲殻類、軟体類、貝類はそれぞれ同じ種類の食物ではアレルギーが起こる可能性がある
甲殻類の間では(エビとカニなど)、1つ軟体類のアレルギーがあると、他の軟体類もアレルギーがある可能性がある。同様に、軟体類(イカとタコ)、貝類などでも、同じ種類同士でアレルギーが出る可能性がある。アレルギーがある場合、同種に注意しましょう。
■甲殻類、軟体類、貝類はひとくくりに除去する必要はない
エビがダメでも、イカ・タコは大丈夫だったり、種類が違えばアレルギー症状が出ない可能性が高いです。中には症状が出る子もいるので、経口負荷試験で確認してから食べるようにしましょう。
<栄養・食事のポイント>
■調味料に含まれる甲殻類の加工品は個人差がある
甲殻類のエキス成分、スープ、エビせんべいなどの加工食品は、どの程度食べられるかは個人差があります。今までの摂取歴などを確認しつつ、主治医と相談して食べていいかを決めていく必要があります。
■「エビ」「カニ」は特定原材料です
「エビ」「カニ」を含む加工食品は、必ず原材料表示されているので、しっかりと確認しましょう。
⑥「ピーナッツアレルギー」のポイント
■ピーナッツは「豆類」です
「ナッツ類」とは別なので、ピーナッツがダメだからといって、ナッツ類を除去する必要はありません。しかし、経口負荷試験でナッツ類が食べれるか確認は必要です。
■炒めるとアレルゲン性が強くなる!!
炒めることで、ピーナッツアレルギーの症状の強さが増してしまいます。注意が必要です。
■ピーナッツオイルも注意!
オイルに関しても除去する必要があります。
<栄養・食事のポイント>
■ピーナッツは色々なものに含まれます
ジーマーミ―豆腐、つくだ煮、和菓子、カレールーなどの調味料、スナック菓子などの隠し味に少量使われることがあります。必ず確認しましょう。
■ピーナッツは特定原材料です
ピーナッツを少しでも含んでいる場合は、表示する必要があるので、必ず確認しましょう。
⑦「ナッツ類アレルギー」のポイント
■ナッツ類でも食べられるナッツはあります
ナッツ類には、「クルミ、カシューナッツ、アーモンド、マカダミアナッツ、ピスタチオ、ヘーゼルナッツ、ココナッツ」などいろいろな種類がありますが、ひとくくりに除去する必要はありません。個別で経口負荷試験をして食べれるか確認しましょう。
※ただし、「カシューナッツとピスタチオ」「クルミとペカンナッツ」はお互い似ており、どちらかでアレルギー症状があると、もう一方にも症状が出る可能性が高いです。注意しましょう。
■クルミ、カシューナッツはアレルギー表示の「推奨品目」
「クルミ」「カシューナッツ」は表示の推奨品目であるので、表示されていないこともあります。また他のナッツ類は推奨品目になっていないので表示はされません。注意しましょう。
<栄養・食事のポイント>
■ナッツは多くの料理に使われる
アーモンド、ココナッツなどは洋菓子のパウダーとして使われることが多いです。原材料の確認はするようにしましょう。ただし、特定原材料ではないので、表示の義務がないことを注意しましょう。
⑧「ごまアレルギー」のポイント
■ナッツ類、ピーナッツと一緒にしない
ごまアレルギーの子は、ナッツ類やピーナッツを除去する必要はありません。
■ごま油は使えることが多い
ごま油はアレルギー症状を起こす可能性が低いです。医師と相談すると、摂取可能のこともよくあります。確認しましょう。
<栄養・食事のポイント>
■「ごま」はアレルギー表示の「推奨品目」
ごまが含まれていても、原材料に表示されないこともあるので、注意しましょう。
⑨「野菜・果物アレルギー」のポイント
■花粉症がある子は、果物・野菜に反応することもある
「花粉-果物アレルギー症候群(PFAS)」といい、花粉症があると、生の果物や野菜を食べた際に、口やのどの痒みを感じることがあります。
■「花粉-果物アレルギー症候群」は加熱で食べられるようになる
加熱調理し野菜や果物は食べることが出来ます。また違和感を感じた時は、食べるのをやめれば症状は落ち着くので、厳密に除去する必要はありません。
■キウイ、バナナ、桃、リンゴには注意。
これらの果物は、少しでも摂取するとアナフィラキシー症状を起こすこともあります。注意しましょう。
<栄養・食事のポイント>
■芋を使おう!
食べられる範囲で野菜や果物を食べつつ、芋などを使うこともポイントです。微量栄養素や食物繊維を接種できます。
■「花粉-果物アレルギー症候群」の給食
「花粉-果物アレルギー症候群」がある場合は、給食で出る、生の果物や野菜のみを除去する。ジャムやケチャップ、ソースなどの加工品や調味料、加熱料理は除去しなくていいことが多い。どこまで除去をするかは、医師に確認しましょう。
⑩「そばアレルギー」のポイント
■そば殻にも注意!!
そば殻を吸い込むだけでも、喘息症状が出ることがあります。
■そばを茹でた釜にも注意!!
そばを茹でると、そのアレルゲンが水に大量に溶け出ます(水に溶けやすい)。またそばのアレルゲンは熱にも強いため、アレルギーの強さも変わりません。そばを茹でるのに使った釜で、別の調理をするのはやめましょう。
<栄養・食事のポイント>
■そばが使われる料理
ガレットや、そばボーロといったお菓子には注意が必要です。表示を必ず確認しましょう。
■そばを提供する店はいかない
調理でそばのアレルゲンが別の料理に入っている可能性があります。そばを扱っているお店は危険なので控えましょう。
■「そば」は「特定原材料」
少しでも使われている場合は、必ず表示がありますので確認しましょう。
⑪「肉アレルギー」のポイント
■肉アレルギーは珍しい
肉アレルギーの子はとても少なく、全ての肉が食べられない子はほとんどいません。どの肉なら食べられるのかを経口負荷試験などで確認しましょう。
■肉のダシは食べれることが多い
肉のダシではアレルギー症状が見られることは少ないです。
<栄養・食事のポイント>
■魚や大豆でたんぱく質を補いましょう
肉の代わりのたんぱく質を補うものは、たくさんあります。
■すべての肉類除去の子は、貧血に注意!
肉類がすべて食べられないと、鉄不足で貧血になることがありますので、鉄を多く含む食材で補っていきましょう。
◎まとめ
同じ分類の食べ物でも食べれるもの、食べられないものがある
経口負荷試験を行うことで、何が大丈夫なのか確認しましょう!
必要以上の「除去」はしてはいけません。
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