「タマタマ(睾丸)」の緊急事態!?

こんにちは!

今回は「男の子の陰部の異常」で受診すべきかどうかについて、
詳しく説明していきます。

男の子の陰部はどうやってできるの??

男の子なら一度は
「丸い二つのタマは何だろう??」
と思ったことがあると思います。
触ると、コロコロ動き、ぶつかると激痛が走る。
「どうしてこんなところに付いているの?」と、
思う子もいると思います。

タマタマ(睾丸)は、初めはお腹の中で作られます。
その後、少しずつ下に降りてきて、
妊娠30週頃に、陰嚢(ふくろ)の中にまで下りてきます。

タマタマの役割は精子を作ることです。

どうして、タマタマが陰嚢にあるかというと、
体の中よりも、外(陰嚢)の方が体温が1~2度下がるからです。
精子はとても繊細な生き物であり、
温度が少しでも高いと死んでしまいます。
なので、体よりも温度の低い、陰嚢に睾丸が存在します。

このように、とても大切なタマタマに、
時々とんでもない緊急事態が起こることもあります。
それを説明していきます。

タマタマ(睾丸)が見当たらない!?

生まれた時に、片方のタマは触れるが、
もう片方が触れないということがあります。

出生後の診察でタマが見られないと気付くことが多いです。

原因は、
本来、生まれるまでに降りてくるはずのタマが、
途中で止まってしまい、降りてきていない可能性があります。

可能性としては、2つあります。

  □停留精巣

これは、「6か月健診」「1歳健診」などで指摘されることが多いです。
生後3~6か月は自然とタマが下に降りてくる時期ではあります。
しかしそれ以降ですと、自然とは降りてくる可能性が低くなります。

停留精巣の場合、お腹の中にタマがあるので、
そのままにしておくと、正常の精子が死んでしまいます。
また、精巣腫瘍のリスクが5~10%上昇するともいわれています。
放っておくと、精巣の機能が正常に働かなくリスクもあるので、
1~2歳頃に手術が必要となることがあります。

  □移動性精巣

これは、タマがしっかり陰嚢内に固定されていないために、
コロコロと上や下に動いてしまうものです。
特に、精巣機能には悪影響はなく、腫瘍のリスクもありません。
ただし、
コロコロ動きやすいので、精巣捻転のリスクはあります。
精巣捻転に関しては、下に詳しく説明しています。

タマタマ(睾丸)の片側が腫れてきた!?

これは以下の可能性があります。
どちらも赤ちゃん時に起こりやすいものです。

  □精巣水瘤、陰嚢水腫

名前が違う通り、多少違う病気ではありますが、
簡単に言えば、陰嚢が「プクッ」と水っぽく腫れるものです。
水が溜まっているので、光が当たると、透き通って見えます。
これは小さい時だとまだ陰部の構造が未熟で、
水が溜まりやすくなるからです。

  □鼠径ヘルニア

これは、腸が陰嚢に入り込んでしまうものです。
なので、陰部が腫れていると思っても、それは腸が原因となります。
これは、
腸をお腹の中にとどめておくための壁に隙間があり、
そこから腸がはみ出でて、下に降りてきてしまうために起こります。

手で腫れているところを、キュッと上に持ち上げると、腫れが戻ります。

  □精巣腫瘍

これはとてもまれなものとなります。
1~2歳頃に最も見られます。
なかなか気が付かれにくいので、
大きくなってから気が付くことが多いです。

陰部はとても大切なところなので、
気になることがあれば、早めに受診しましょう。

タマタマ(睾丸)に激痛と腫れが!!

これは緊急事態です!!

  □精巣捻転

これは名前の通り、タマがグルっと回転してしまい、
タマに栄養を送っている血管がねじれてしまいます。
その結果、タマに血液が行かなくなり、壊死してしまいます。

特徴としては、

  ・「2歳以下」、または「10歳以降」に起こりやすい
  ・夜寝ている時に、急に起こることがある
  ・突然発症して、激痛が続く
  ・左に発症することが多い

などがあります。

特に大切なのは、「治療可能な制限時間がある」ことです。

基本的には、「6時間以内」で手術をしないと壊死します。
早ければ早いほど、精巣を温存できますが、
場合によっては、取ることになります。

とても危険な病気なので、いち早く異常に気が付きましょう。
症状が「腹痛だけ」のこともあります。

タマタマ(睾丸)の感染症

まれに感染症を起こることがあります。

症状は、「熱」「激痛」「陰嚢の発赤・腫脹」です。

特に「思春期以降」から見られます。

  □精巣上体炎

尿路感染症や、性行為感染症によって起こることが多いです。
小さいころだと、尿路感染の可能性もありますが、
中学・高校生になってくると、性行為感染症の可能性も増えてきます。
特に思春期ですと、症状を隠したがりますが、
放っておくと、精巣に後遺症を残ることもあるので、
出来る限り早めに病院へ受診し、適切な治療を受けましょう。
感染症の治療は、早め早めが大切です。

  □ムンプス感染による急性上体炎

これはまれに起こる病気です。
ムンプスウイルスは耳下腺腫脹が特徴としてあるものですが、
時に精巣にも感染を起こすことがあります。
「最近首のあたりが腫れた」というエピソードは要注意です。

◎まとめ

タマタマの異常には、超緊急の病気もある

特に陰部の激痛には注意!!早く受診を!!

陰部は大切なところなので、一度は小児科に行きましょう

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