突然の咳!危険な咳の可能性も!?
こんにちは!
今回は「突然の咳」で受診すべきかどうかについて、
診察の際によく聞かれるフレーズをもとに解説していきます。
①咳ってどうして起こるの?

咳は、体の「反射」の一つです。
口、気管、気管支などで、咳のセンサーが作動すると、
脳の咳中枢に信号が送られ、咳が出ます。
咳が出る理由としては、異物を肺に入れないためです。
肺は元々はキレイな状態です。
「外気→口→気管→気管支→肺」と、外とつながっていますが、
気管や気管支には「繊毛細胞(細い毛が生えた細胞)」があり、
これは「肺→口方向」に動いており、異物を排除する目的があります。
いわゆる「ベルトコンベヤー」みたいなもので、
微細な細菌・ウイルス、花粉などを外に出していきます。
この「ベルトコンベヤー」に加えて、
咳をして異物を排除しようとします。
肺のある空気を思いっきり掃き出し、異物も一緒に外に出す、
これが「咳」です。
咳の目的は大きいものを排除することで、異物や痰などを外に出します。
このように、
咳 :「大きいもの」を外に排泄
繊毛細胞:「小さいもの」を外に排泄
という、2つの役割で肺は守られています。
②突然の咳の原因は??

突然の咳の原因は、たくさん考えられます。
ここでは、年齢ごとに考えていきます。
「何歳でも認めるもの」:
・風邪
・後鼻漏(喉に鼻水が垂れ込むことで咳が出ます。)
・アレルギー性鼻炎(アレルギー反応として咳が出ます。)
・百日咳(三種or四種混合ワクチンを打っていないと可能性があります。)
・受動喫煙(副流煙が気道を刺激します。)
・胃食道逆流(胃酸が気道を刺激します。)
「赤ちゃん」:
・先天異常(気管軟化症、声門下狭窄など。)
・誤嚥・気道異物(喉の構造が未熟なので誤嚥しやすいです。)
・RSウイルス感染症(特に1歳未満だと症状が重症化しやすいです。)
「1~6歳未満」:
・RSウイルス感染症(1歳過ぎると重症化のリスクは下がります。)
・喘息(この歳で診断されることが多いです。)
・クループ(オットセイのような「コンッコンッ」という咳。)
・アナフィラキシー(急に発症し、どんどんひどくなります。)
・誤嚥・気道異物(色々なものは口にするので、注意が必要です。)
「6歳~」:
・喘息(12歳以降に発症することはほとんどない。)
・クループ(オットセイのような「コンッコンッ」という咳。)
・副鼻腔炎(鼻をすする子に多くなります。喉に鼻水が垂れ込む。)
・心因性咳嗽(ストレスの影響で、咳が出てしまう。)
・胃食道逆流(激しい運動後などに胃酸が口に戻ってきてしまう。)
・気胸(「痩せた高身長」の子がなりやすい。胸痛はほとんどない。)
・心不全(心臓病や不整脈の子に起こりやすい。胸痛などもある。)
「長引く咳」の場合は、こちらに詳しく書いてあります。
参考にしてください。
③危険な状態を知ろう!

咳の中にも危険な咳はあります。
特に突然始まり、どんどん咳がひどくなるものは注意です。
中には酸素を上手く取り込めなくなることもあります。
また、
顔色にも注意してください。
酸素が上手く取り込めていないと、顔色が悪くなります。
特に唇が青紫になります。
他にも、
みぞおちが呼吸をするたびに凹む状態にも注意です。
「みぞおちが凹む」=「苦しいサイン」です。
普段と様子が違う場合は、
緊急で病院受診しなければいけないこともあります。
不安な時は、早めに病院へ受診しましょう。
④気道異物には注意

気道に異物が入ると、
「咳」「窒息」などの症状が出ます。
その後、異物が取れていなくても、
特定の場所に入ると咳をしなくなります。
このように、
異物があっても咳症状がなくなることがあるので、
注意が必要です。
放っておくと、その後そこから菌が繁殖して、
「肺炎」などが起こってしまいます。
特に食べ物をむせてしまった時は、
それが残っていることがあるので注意してください。
気になることがあれば、早めに受診することをお勧めします。
異物によっては、緊急で処置が必要となることもあります。
◎まとめ
急な咳には、原因が色々あります。
咳がどんどんひどくなる時は、早めに受診を。
顔色など、その子の体調をしっかり確認しましょう。
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