食物アレルギー:「牛乳」アレルギーについて
こんにちは!
今回は食物アレルギーの中でも、
「原因食物別」で詳しく解説していこうと思います。
今回のテーマは「牛乳アレルギー」です。
ぜひ参考にしてください。
①アレルギーについてまずは理解しよう!
アレルギーと付き合っていくためには、アレルギーをある程度理解することが必要不可欠です。アレルギーについて簡単にまとめていますので、以下の記事を参考にしてください。
ぜひご家族に知っていただきたい事をまとめています。アレルギーについてまだ少し分からないことがある方は、サラッとでいいので目を通してください。
②「牛乳アレルギー」のポイント
■加熱でアレルゲン性は低下しにくい
「食べられる範囲」はアレルゲン性が変化しにくいため、牛乳・乳製品中のたんぱく質量をそのまま参考にできます。
■「牛肉」と「牛乳」は別物!
アレルゲンが違うので、除去する必要はありません。
■「ヤギ乳」、「めん羊乳」はダメ!
牛乳アレルギーがあると、ヤギやめん羊乳でアレルギー反応を起こす可能性が高いので、使用できません。
■アレルギー用ミルクについて
アレルギー用ミルクには、「加水分解乳」と「アミノ酸乳」があります。
新生児・乳児消化管アレルギーや重症な牛乳アレルギーがあるお子さんは、「加水分解乳」でアレルギー症状が出る可能性があります。必ず医師の指示に従って、アレルギー用ミルクを選択しましょう。
また、アレルギー用ミルクのみでは微量栄養素が不足してしまうので、補充する必要があります。こちらに関しても、医師と相談してどのように補充するかを決めていきます。
■「調製粉末大豆乳」は乳成分を含まない
アレルギー用ミルクではありませんが、乳成分を含んでいないので、「大豆」が問題なければ使うことが出来ます。
■ペプチドミルクはダメ!
ペプチドミルクは、たんぱく質の酵素分解が不十分なので、アレルゲンが残っています。なので牛乳アレルギーのお子さんには使用できません。
■加工食品の原材料の「乳」の表記に注意!
「乳」と書かれている加工食品は多く存在します。しっかりと理解して安全な「乳」かどうかを知る必要があります。
■乳糖は安全なことが多い
ごくわずかにたんぱく質が含まれることもありますが、除去が必要になることは稀です。あまりにも重症なアレルギーの場合は、接種できない可能性もあります。一度医師に相談してみましょう。
③「完全除去」のポイント
●食べられないもの
「牛乳」「牛乳を含む加工食品」
※除去する必要がないもの:牛肉
牛乳を含む加工食品の例:
ヨーグルト、チーズ、バター、生クリーム、全粉乳、脱脂粉乳、一般の調製粉乳、練乳、乳酸菌飲料、発酵乳、アイスクリーム、パン、カレー・シチューのルー、肉類加工品(ハム、ウインナーなど)、洋菓子類(チョコレートなど)、調味料の一部など
●牛乳を使わない調理の方法
■ホワイトソースなどクリーム系の料理:
ジャガイモのすりおろし、コーンクリーム缶を使う
植物油や乳不使用マーガリン、小麦粉や米粉、豆乳でルーを作る
市販のアレルギー用ルーを使う
■洋菓子の材料:
豆乳やココナッツミルク、アレルギー用ミルクを使う
豆乳から作られたホイップクリームを使う
●牛乳の主な栄養素と代替栄養
普通牛乳 100mlあたり:カルシウム(110mg)
⇒豆乳 :(350~750ml)
ひじき煮物 :(小鉢1杯)
アレルギー用ミルク:(200ml)
主食(ごはん、パン、麺)、主菜(肉、魚、大豆製品)、副菜(野菜、イモ類、果物)のバランスに気を付けましょう。
●牛乳アレルギーの表示
1.容器包装された加工食品
牛乳は容器包装された加工食品に少しでも含まれる場合、表示する義務があります。
⇒原材料表示欄に「牛乳」がなければ接種できます。
・牛乳の代替表記:ミルク、バター、バターオイル、チーズ、アイスクリーム
・牛乳の特定加工食品:アイスミルク、生乳、ガーリックバター、牛乳、プロセスチーズ、濃縮乳、乳糖、加糖れん乳、乳たんぱく、調製粉乳
※上記の代替表記、特定加工食品も食べれません。
※「乳化剤(一部を除く)」「乳酸カルシウム」「カカオバター」「乳酸菌」などは摂取することが出来ます。
2.容器包装されていない料理や加工食品(飲食店、惣菜など)
包装されていないものは、どの原材料でも表示の義務はありません。
少しでもひどい症状が出る子は、特に注意する必要があります。
④栄養、食事についてのポイント
男女別の食事摂取基準はこちらを参考にしてください。
(1日に必要な、エネルギー、たんぱく質、ビタミンD、カルシウム、鉄など)
1.牛乳除去はカルシウム摂取量が不足します。
カルシウム「100mg」の目安
普通牛乳 | コップ1/2杯 | 90ml |
アレルギー用ミルク | コップ1杯 | 180ml |
調整豆乳 | コップ2杯弱 | 320ml |
豆腐(木綿) | 1/3丁 | 120g |
しらす干し | 2/3カップ | 50g |
桜えび(素干し) | 大さじ1-2杯 | 5g |
干しひじき | 大さじ1-2杯 | 10g |
切り干し大根(乾燥) | 小鉢1/2皿 | 19g |
まいわし(丸干し) | 1/4尾 | 22g |
ゴマ | 大さじ1杯 | 9g |
小松菜(ゆで) | 2株 | 70g |
1日の目安を摂取できるように工夫しましょう。
2.アレルギー用ミルクはカルシウム補給として使えます。
ただし、独特の匂いがあるので、大きくなってくると飲みづらいこともあります。果物ピューレ・ココアでの風味付けや、ダシ・豆乳の味をいかした料理に使ったりできます。
3.豆乳や大豆乳(調製粉末大豆乳)も利用できる。
ただし、カルシウム含有量は少なくなります。
豆乳で作られたヨーグルト、アイスクリーム、生クリームなどもあるので、利用できます。
⑤「食べられる範囲」に基づく食事
「食べられる範囲」とは、
「経口負荷試験により、医師が決めた食べても安全な量」
(経口負荷試験については、こちらを参考にしてください。)
乳酸発酵や加熱による症状出やすさは変わらないので、たんぱく質量に基づいて「食べられる範囲」を医師が判断します。
経口負荷試験で食べれる量を
「少量」「中等量」「日常摂取量」
に分類します。
(「少量」で症状が出た場合は完全除去です。)
※決して、決められた以上の量を食べてはいけません。
●「少量の場合」
=「牛乳3ml」
負荷試験で食べたものと同じものを、同じ量だけ食べることが出来ます。
しかし、加工品は食べれません。
●「中等量の場合」
=「牛乳15~50ml」
負荷試験で食べたものと同じものを、同じ量だけ食べることが出来ます。
それでも問題なければ、医師の判断で加工品をトライできます。
【牛乳50ml摂取可能なら、安全に食べれる可能性が高いもの】
乳製品 | 量 |
バター | 266gまで |
乳酸菌飲料 | 145mlまで |
ホイップクリーム(乳脂肪) | 106gまで |
ヨーグルト(全脂無糖) | 44gまで |
スライスチーズ | 7gまで |
パルメザンチーズ | 3.6gまで |
●「日常摂取量の場合」
=「牛乳200ml」
負荷試験で食べたものと同じものを、同じ量だけ食べることが出来ます。
また、症状が特になければ、医師の判断で牛乳を含む加工品も食べられます。
◎まとめ
牛乳は、調理法によっても症状は変わらず出る!
アレルギーは「食べられる範囲」を継続することが大切です
「乳」の表記には注意しましょう
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