子どもの突然のけいれん!大丈夫!?(0~5歳)

こんにちは!

今回は「0~5歳のけいれん」で受診すべきかどうかについて、
診察の際によく聞かれるフレーズをもとに解説していきます。

①痙攣がおきたら何をする!?緊急時の対応!

けいれんは子供ではとても起こりやすいものです。
突然起こり、何をしたらいいか分からなくなるので、
とてもびっくりしますし、不安になります。

初めにすること

  □慌てない!!!
  □ゆっくりと体を横に向けましょう(吐く可能性があるため)

★次にすること

  □けいれんの持続時間を計る
  □どのような動きをしているか観察
   (眼球は上向き?、手足は左右同じ動きをしている?など)
  □けいれんが止まったら、体温測定

●けいれんで病院受診をする基準

  □初めてのけいれんは必ず受診!!
  □5分以上けいれんが続く
  □生後6か月以下、6歳以上のけいれん
  □熱がない
  □けいれんの動きが左右で違った(右だけ震えていた、など)
  □けいれんが何度も起こる
  □頭をぶつけている
  □けいれん後、明らかに意識が悪い

救急車を呼ぶポイント

  □初めてのけいれんは救急車を呼んでも問題ない
   (個人的見解です。不安な時はすぐに呼びましょう。)
  □5分以上続くけいれん
  □頭をぶつけた後のけいれん
  □けいれんが何度も起こる
  □顔色がどんどん悪くなる

けいれんは「呼吸をしていない」わけではありません。
しかし、とても呼吸をしにくい状態となるので、
長時間けいれんが続く場合、低酸素状態になる可能性があります。
なので、長時間続くけいれんには注意する必要があります。

また、「熱があるかないか」はとても大切な情報となってくるので、
確認しましょう。

なによりも大切なのは、「けいれんをしっかり観察すること」です。
けいれんの動きなどから小児科医は原因を見つけていきます。
余裕があるお母さんの場合、スマホで動画を撮って見せてくれます。
これが一番伝わりやすい方法でもあるので、
もし少しでも余裕があれば動画を撮影してください。

病院によっては、初回のけいれんは必ず入院で様子を見ることもあります。
それほど、けいれんには気を付けなければなりません。

②痙攣の原因は何が多いですか?

そもそも痙攣とは、頭の中の大脳という部分で、
異常な信号が急に起こることで、
意識障害や、筋肉の異常な収縮が起こり、
けいれんと呼ばれる異常な動きとなります。

0~5歳では見られるけいれんの種類は以下のものとなります。

熱があるけいれん

・熱性けいれん
最も多いものです。熱があります。
6歳未満の子で100人のうち2-5人くらい発症します。
ご家族に既往があれば、お子さんも起こしやすくなります。
基本的には15分以内でけいれんはおさまり、後遺症もありません。

・胃腸炎関連けいれん
下痢、嘔吐がある子どもに見られるけいれんです。
ノロ・ロタなどで起こることがあります。
これは、熱性けいれんのお薬では効かないので、
別のお薬を使う必要があります。

・脳炎・脳症
これは頭の感染症です。熱があります。
熱性けいれんと間違えられることもあります。
これはひどい感染症で、熱性けいれんとの違いとしては、
「急に意識障害が起こり、24時間以上続くもの」です。
明らかな意識状態が悪いことが多いので気付かれます。

熱がないけいれん

・良性乳児発作(てんかんの一種)
生後6か月くらいに見られるけいれんで、熱はありません。
1歳半には自然と治ります。(3歳以降にはほとんど発症しない)
特に発達に影響を及ぼしません。
発作時間は数分と短く、連続して何回か起こることが多いです。

・その他のてんかん
他のてんかんの可能性もあります。
脳波などの検査をすることで、診断されていきます。
熱がないけいれんはてんかんの可能性が高いので、
一度検査してもらいましょう。
※てんかんの子どもは入浴に注意!
大きくなっても、てんかんがある子は必ず一緒に入浴を。
一人で入浴中にてんかんが起こると溺れてしまいます。

・頭の外傷後のけいれん
脳震盪(のうしんとう)でけいれんすることもあります。
また、脳出血がけいれんの原因のこともあります。
頭の外傷後のけいれんは必ず早急に病院受診しましょう。

・先天異常
中には、脳の奇形や染色体異常など、
生まれつきある異常が原因でけいれんが起こることもあります。
MRIなどを撮影する必要があります。

・脳腫瘍
年中さんを過ぎたあたりで徐々に症状が出てくるものとして、
脳腫瘍があります。
基本的には、徐々に症状が重くなってくる印象があります。

・脳血管異常
脳梗塞、脳動脈奇形などが原因のこともあります。
これはMRI撮影で診断されます。

少し内容が細かくなりましたが、
このように、「熱がある」と「熱がない」では、
考えられる病気が大きく変わってきます。

原因は何であれ、
まず何よりも大切なのは、けいれんが起こっている時に対応です。
その後、落ち着いてから、
原因を探していくことが大切になります。

③重症の可能性がある症状は??

次のことがあれば重症の可能性ありです!

  □熱があり、嘔吐もある
  □けいれん後、意識がずっとぼーっとしている
  □けいれん後24時間経っても意識がしっかり戻らない
  □頭をぶつけた
  □15分以上続くけいれん
  □1日に何度もけいれんを繰り返す

これらが見られた場合は、重症の可能性があるので、
すぐに病院受診しましょう。

④また痙攣が起こる可能性はありますか?

熱性けいれんや、てんかん発作などの場合、
再度けいれんが起こる可能性も出てきます。

熱性けいれんの場合、
一度けいれんがあると、次起こす確率は1/3ともいわれます。
なので、注意する必要があります。
2回目、3回目が起こる場合ですと、
けいれん予防の座薬を使った方がいいかもしれません。

てんかん発作の場合、
比較的次も起こりやすくなります。
同じようなけいれんであれば様子をみれることが多いですが、
頻度が増えてくる場合、飲み薬でけいれんを予防する必要があります。

⑤痙攣??と間違えやすいもの

中には、けいれんに見えるが、実は違うものというものもあります。

・身震い発作
その名の通り、力を入れて身震いをします。
一点をじーっと見つめ、全身に力を入れ、顔は赤くなります。
特に問題ありません。

・ミオクローヌス
これは赤ちゃんの時によく見られます。
「寝ている時に、ビクビクと震える」といった症状です。
特に問題ありません。

・憤怒けいれん(泣き入りひきつけ)
これは激しく泣いたり、怒った後に突然見られます。
呼吸を一時的に止めるので、顔色が悪くなることがあります。
意識がなくなる、身体が後ろに反り返る、震えるなど、
様々な症状がみられます。
脳への影響はありません。

◎まとめ

けいれんが起きら、まずは慌てないこと!!

しっかりと様子を観察しましょう。

初めてのけいれんは必ず病院受診です。(救急車を呼んでもいい!)

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