突然のけいれん。6歳以上は注意!?

こんにちは!

今回は「6歳以上の子どものけいれん」で受診すべきかどうかについて、
診察の際によく聞かれるフレーズをもとに解説していきます。

①痙攣がおきたら何をする!?緊急時の対応!

小学生以降、初めてけいれんが起こる確率は、
明らかに減少します。
というのも、熱性けいれんがほとんど起こらなくなるからです。
しかし、起こらないわけではないので、
緊急時の対応は必ず覚えておく必要があります。

初めにすること

  □慌てない!!!
  □ゆっくりと体を横に向けましょう(吐く可能性があるため)

★次にすること

  □けいれんの持続時間を計る
  □どのような動きをしているか観察
   (眼球は上向き?、手足は左右同じ動きをしている?など)
  □けいれんが止まったら、体温測定

●けいれんで病院受診をする基準

  □初めてのけいれんは必ず受診!!
  □5分以上けいれんが続く
  □生後6か月以下、6歳以上のけいれん
  □熱がない
  □けいれんの動きが左右で違った(右だけ震えていた、など)
  □けいれんが何度も起こる
  □頭をぶつけている
  □けいれん後、明らかに意識が悪い

救急車を呼ぶポイント

  □初めてのけいれんは救急車を呼んでも問題ない
   (個人的見解です。不安な時はすぐに呼びましょう。)
  □5分以上続くけいれん
  □頭をぶつけた後のけいれん
  □けいれんが何度も起こる
  □顔色がどんどん悪くなる

②6歳以上の痙攣は危険!?

6歳以上になると熱性けいれんは滅多にありません。
つまり、熱ではない何か他の原因がある可能性が出てきます。

なので、6歳以上でけいれんが起きた場合は、
必ず検査をして原因を探さなければなりません。

原因としては、以下のものが考えられます。

  □てんかん発作
  □起立性低血圧
  □不整脈
  □もやもや病
  □脳血管異常(脳動静脈奇形など)
  □先天疾患(結節性硬化症など)
  □脳腫瘍
  □神経変性異常(副腎白質ジストロフィーなど)
  □代謝異常

他にも細かい病気はたくさんありますが、
大きく分けると次のようになります。

・てんかん
けいれんの原因として最も多いです。
何回も起きてしまうなど症状がひどい場合は、
薬を調整することで、予防していきます。

・起立性低血圧
これは上手に血圧のコントロールが出来ないと起こります。
よく「お風呂で立った時にふらふら」することがあると思います。
これも同じで、頭への血流が一時的に少なくなってしまって、
ふらふらします。症状が重いと、けいれんが起こることもあります。

特に女の子に多い症状となります。

・不整脈
これは危険です!!!
「けいれんを起こす不整脈」=「一時的に頭に血液が行かない」
という意味です。
つまり、
不整脈により、全身に血液を送れていない状態となり、
最悪死につながる可能性もあります。

以下に当てはまる場合は、すぐに精密検査を!
  ・親戚に突然死をした人がいる
  ・健診で不整脈を指摘されたことがある
  ・運動していた時に、意識を失ったことがある

これらが当てはまる場合は、すぐに病院受診してください!

・もやもや病
これは、頭の血管の異常によるものです。
頭の血管は通常太い血管であり、たくさんの血液を頭全体に送ります。
しかし、中には先天的に血管が細い子がいて、
血流が十分に送れない状態となります。
それを改善するために、新たに血管を頭全体に張り巡らせ、
不足していた分を補うのがこの病気です。
「新たに血管を張り巡らせ」⇒これが写真を撮るともやもやして見える。
これが「もやもや病」と言われる原因です。
特徴としては、
「ラーメンを冷ます」「リコーダーを吹く」「大泣き」「走る」などで、
「けいれん」「脱力」「意識がもうろうとする」
という症状が出ます。

当てはまる場合は、必ず早めに受診しましょう。
手術をする必要があります。

頻度が多いものは簡単に説明させていただきましたが、
他にも様々な原因があります。
特に、遺伝子検査をしないと、なかなか診断が難しい病気もあります。
そういう病気ですと、進行すると取り返しがつかない可能性もあります。
「けいれん」という症状のみで、そういう病気が見つかる可能性があるので、
早めの受診を心がけましょう。

③今後気を付けることはありますか?

6歳以上でけいれんが起こった場合、
次に起こる可能性も出てきます。

何か原因がはっきりしており、それが完治したなら、
再度起こる可能性は低いです。
しかし、なかなか完治することも難しいので、
今後の生活で気を付けるべきことはたくさんあります。

  □規則正しい生活
  □発作の頻度が増えたら病院へ
  □プールは気を付ける
  □お風呂は一人で入らない
  □外出は必ず大人がついていく

などがあります。
突然のけいれんにより、事故が起こることもよくあります。
そして、それが死に直結することも、
医療現場で経験したことがあります。
いつ何が起こるかが分からないので、
上に書いたことは、必ず徹底しましょう。

何かご相談があれば、こちらからお問い合わせください。

④痙攣??と間違えやすいもの

けいれん??と間違えられるものもいくつかあります。
いろいろ検査したけど、実はけいれんではなかった、
ということもよくあります。

けいれんと間違えられるものとしては、以下のものがあります。

  ・心因性のもの
  ・チック
  ・失神
  ・不随意運動

これらは、小児科医が問診によって診断することもできるので、
症状が起きた時の詳しい経過をお話しするようにしてください。
必要に応じて、検査などをしていきます。

◎まとめ

けいれんが起きても慌てないこと!!

6歳以上のけいれんは、異常が見つかることが多い

初めてのけいれんは必ず受診をしましょう!!

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