その頭痛、様子を見ていて大丈夫??
こんにちは!
今回は「子どもの頭痛」で受診すべきかどうかについて、
詳しく説明していきます。
もくじ
①頭痛にも分類があります。
頭痛は日常的に起こる身近な症状です。
しかし、頭の痛みなので、頭の病気が原因のこともあり、
心配される方も多いと思います。
頭痛にも分類があります。
簡単に説明すると、
「ただの頭痛」と、「何か原因があっての頭痛」です。
それを医学用語でいうと以下のようになります。
一次性頭痛:ただの頭痛
二次性頭痛:何か原因のある頭痛
頭痛は日常生活に支障をきたすことが多いです。
また、頭痛があるときは、怖い病気の可能性もあるので、
ご自宅で様子を見るよりは、一度小児科医の診察を受けた方がいいです。
早期発見・早期治療がとても大切になってきます。
②一次性頭痛について
これは、いわゆる「原因の病気がない頭痛」となります。
原因がないといっても、症状がひどい時もあります。
一次性頭痛には、
「片頭痛」「緊張型頭痛」
があります。(群発頭痛もありますが、子どもではめったにありません)
片頭痛:
名前の通り、頭の片側が痛くなることが多いです。
・ズキンズキンと痛む、脈を打つ感じに痛む
・繰り返し起こる
・前兆がある(目の前がキラキラする、視界が変な感じがする)
・体勢で痛みの強さが変化する、体を動かすと痛みが増す
・音や光などの刺激で痛みが強くなる
などが特徴として挙げられます。
たまに、頭の両側や、頭のてっぺんが痛むこともあります。
原因は、頭の血管が拡張することで起こります。
命に関わる頭痛ではありませんが、
日常生活に支障をきたしやすいです。
症状が出たら、
外からの刺激が少なく、静かで薄暗い場所でゆっくりしましょう。
また、ひどい時は痛み止めも飲みましょう。
頭を冷やすのも効果的です(温めると悪化します)。
緊張型頭痛:
片頭痛と似ていますが、少し症状が違ってきます。
・頭全体が締め付けられる感じがする、頭重感
・夕方にかけて症状が強くなる
・首や肩のこりがある
・軽いめまいがある
・パソコン、スマホを長時間やっている
などが特徴としてあります。
片頭痛と比較して、痛み自体は軽いものが多いですが、
症状は長く続くことが多く、毎日頭痛を訴える子もいます。
原因は、筋肉が収縮することで起こると言われています。
これも命に関わることはありませんが、
日常生活に支障をきたすことが多いです。
症状が出たら、
体を動かすとで痛みが良くなることもあります。
運動したりお風呂に入ることも頭痛を良くする方法です。
痛み止めはいらないことが多いので、なるべく様子をみましょう。
頭を温めるのも効果的です(冷やすと悪化します)。
③二次性頭痛は危険!?
二次性頭痛は、
「何か別の病気があることで起こる頭痛」です。
感染症、中耳炎、副鼻腔炎、虫歯、
脳出血、脳腫瘍、高血圧、…
など原因となる病気はたくさんあります。
中には緊急で対応しなければならない病気もあり、
二次性頭痛は危険である可能性も高くなります。
④特に注意すべき症状!!
これは危険!!という頭痛があります。
ここだけはしっかり確認してください。
・突然の頭痛でどんどん痛みが増していく
・これまで経験したことのない痛み
・「発熱」+「嘔吐」がある
・けいれんがある
・頭をぶつけている
・意識が普段と違う
頭痛で緊急性があるものは、
脳炎・脳症、髄膜炎、脳出血、低血糖、脳腫瘍
などがあります。
ここに書いた症状が一つでも当てはまれば、
すぐに小児科に受診しましょう。
⑤突然の頭痛?普段から頭痛?そこから疑われる病気
頭痛の起こり方でも、考えられる病気が変わってきます。
急性(時間~日の単位):
突然の頭痛は緊急性が高く、重症の可能性があります。
□急性中耳炎、副鼻腔炎
□緑内障
□風邪
□脳炎・脳症、髄膜炎
□慢性頭痛(片頭痛、緊張型頭痛など)の初回
□脳出血
□低血糖
慢性(週~月の単位):
痛みが持続し、繰り返し起こります。
□片頭痛、緊張型頭痛
□脳腫瘍、水頭症
□もやもや病
□脳脊髄液減少症
□てんかん性頭痛
□副鼻腔炎
□目の異常(屈折異常、眼位異常)
□虫歯
□睡眠時無呼吸症候群
□起立性調節障害
□心因性頭痛
他にも様々の原因があります。
普段診療していても原因がはっきりしないこともよくあります。
しかし、
緊急性があるかないかは判断できるので、
急性頭痛の場合は、なるべく早く受診しましょう。
慢性頭痛の場合でも、一度は小児科医を受診しましょう。
⑥大事なポイント!!
「痛み」のいろいろな状態から、考えられる病気が変わってきます。
それを簡単にまとめていきます。
発症パターン:
・超急性 :くも膜下出血、脳出血
・急性 :二次性頭痛のことが多い
・繰り返す急性:一次性頭痛(片頭痛、緊張型頭痛)
・慢性で進行性:脳腫瘍、脳腫瘍
・慢性非進行性:緊張型頭痛
痛みの強さ:(子どもなのでどの程度の痛みか伝わりにくい!)
・今まで経験したことのない痛み:くも膜下出血
・その他の痛み:評価が難しい(子供の訴えでは分からないことが多い)
痛みのパターン:
・ズキンズキンする、波を打つような痛み:片頭痛
・頭全体が締め付けられる、頭重感がある:緊張型頭痛
痛みがひどくなる:
・体勢、頭位、くしゃみ、咳、光、音でひどくなる:片頭痛
・泣いたり、運動でひどくなる:片頭痛、もやもや病
痛みの時間帯:
・朝に症状が強い :脳腫瘍、起立性調節障害、片頭痛
・夕方にかけて症状が強い:緊張型頭痛
家族にも頭痛持ちがいる:
片頭痛(約40%)、緊張型頭痛(約25%)で子どもに起こる
その他:
・いびき:睡眠時無呼吸症候群
・環境の変化(転校、離婚などのストレス):心因性頭痛
⑦頭痛の予防、治療(一次性頭痛、二次性頭痛)
一次性頭痛:
予防方法としては、規則正しい生活が基本となります。
早寝早起きが大切です。
夜寝ながらスマホを触るなどしていると、体に疲労が蓄積し、
頭痛の原因となることもあります。
治療としては、痛み止めの内服があります。
日常生活に支障が出ることが多いので、
そうなる前に痛み止めを内服することをお勧めします。
基本的には、痛みはずーっと続くものではないので、
1週間近く頭痛ある場合は、別の原因があるかもしれません(二次性頭痛)。
「いつもと痛みが違う」など心配なことがあれば、
すぐに病院に受診しましょう。
二次性頭痛:
これは予防というよりは、治療が大切になっていきます。
原因を取り除かなければ、痛みは良くなりません。
なので、頭痛の原因をはっきりさせる必要があります。
「採血」、「頭のCT・MRI」、「耳の検査」、「鼻の検査」
などを行っていきます。
痛みに対しては、痛み止めで対応していきます。
ただし、
緊急性の高い病気も含まれているので、
なるべく早く病院受診をする必要があります。
◎まとめ
頭痛には、「一次性頭痛」と「二次性頭痛」がある
一次性頭痛は、生活リズムを正すことが予防となる
二次性頭痛は、原因を取り除かなければ良くならない
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