突然の失神!?大丈夫!?

こんにちは!

今回は「子どもの失神」について、
詳しく解説していきます。

①失神はどうして起こるの??

失神は、
脳血流が一時的に低下してしまい、
気を失ってしまう状態をいいます。

脳は常に大量のエネルギーを消費しているので、
一時的な血流不足でも、すぐにエネルギー不足になります。
通常は2-3分で回復して、後遺症はないものです。

「血液が一時的に行かなくなった原因は何か?」が、
とても大切になってきます。

低血糖で、脳で使うエネルギーがなくなってしまった時も、
失神は起こります。

②危険な失神と、大丈夫な失神

命に関わる危険な失神と、
そこまで命に関わらない失神があります。

★危険な失神(すぐに病院へ!!)

  □不整脈
心臓の脈の乱れによって、血液が上手く全身に送れなくなります。
脳にも一時的に血液が行かなくなり、失神が起こります。
ご家族に不整脈の人がいると、リスクは上がります。
とても危険な状態です。

  □先天的な心臓病
生まれつき心臓の病気があると、血液の流れが違ってきます。
徐々に状態が悪化することで、上手く脳に血液が行かなくなり、
失神が起こってしまいます。

  □心筋症
心臓は全身に血液を送るポンプとしての働きがありますが、
そのポンプとしての機能が落ちてしまい、脳に血液が行かなくなります。
その結果、失神が起こります。

  □低血糖
糖分は全身で消費されるエネルギー源であり、
体の栄養分で最も大切なものであります。

脳ではかなりのエネルギーを消費するので、低血糖になってしまうと、
すぐにエネルギー不足となり、失神したり痙攣したりします。

  □低酸素
これは、肺に酸素がしっかりと取り込まれなくて起こるものです。
原因としては、アナフィラキシー、喘息、誤飲による窒息などがあります。
呼吸がすぐに改善すれば、失神のみで済みますが、それ以上続くと、
最悪、死に直結してしまいます。

  □薬剤性
薬の副作用として、失神が起こることがまれにあります。
血圧の薬、血糖の薬、不整脈の薬などが挙げられますが、
副作用として失神があるのは、とても問題なので、
すぐに対応する必要があります。

★命に関わらない失神

  □迷走神経反射
よく「注射するときに倒れた」と聞くことがあると思います。
これは、痛み、ストレスなどで「迷走神経」が刺激され、
脈がゆっくりになり、血圧も下がり、失神します。

よく、目の前が白くザーッとなり、汗もかく、という症状が
見られることが多いです。(後遺症はありません)
横になれば頭に血液が行きやすくなり、すぐに回復します。

  □起立性調節障害
これは「自律神経」が関連してきます。
名前の通り、「立った時、長時間立っている時」に起こります。
症状は、ふらつき、失神、顔面蒼白、気持ち悪さなど。
座っていると、血液が体の下にたまっており、
立つ時は、足の血管を収縮させて、心臓に戻る血液を増やします。
この切り替えが上手くいかないと、心臓の血液が減ってしまい、
一時的に脳に送る血液も減り、失神となります。
これが原因で、悩まれる子はとても多いです。
お気軽にご相談ください。(こちらから)

  □状況性
「咳をした時」「うんち、おしっこの時」「冷たいものを食べた時」
「くしゃみをしたとき」「食後」
などで見られます。
これも神経が影響してきて、血圧が上手くコントロールできずに、
脳の血液が一時的に低下して失神が起こります。

  □てんかん
これは、大脳で異常な電気信号が起こることで、
失神という症状が起きます。
これは繰り返すことが多く、薬などで症状をコントロールします。

  □心因性
心の問題で、失神することもあります。
心の状態が直接、体に症状として現れ、失神も症状の一つとしてあります。
まずは、心のケアをしっかりとしていく必要があります。
まずは小児科医に相談をして、その後必要に応じて、
精神科の先生の受診も必要になることがあります。

失神の原因について簡単に説明していきましたが、
命の危険がある失神はすぐに病院に行く必要があります。
何が原因か分からない失神ほど怖いものはないので、
不安がある場合はすぐに病院に行きましょう。

何か聞きたいことがあれば、こちらからお問い合わせください。

③見るべきポイントは?

失神は通常2-3分で回復する症状なので、
病院に受診する頃には、回復しています。
なので、どのような状況だったかを正確に伝えることが、
診断に大きく左右します。

次のことを確認してください。

●失神した時の状況

  □運動中
  □急に立った、長時間立っていた
  □激しく泣いていた(赤ちゃん)
  □激しく咳をしていた
  □痛み、ストレスなど

●失神する前に起こる症状

  □ふらつく、冷や汗をかく、気持ち悪い
  □目の前が「ザーッ」と白くなる
  □動悸、胸の痛み

●持病

  □過去にも同様の失神があった
  □川崎病になった
  □新しい薬を最近飲み始めた

●家族歴

  □突然死をした家族がいる

これらのチェックポイントで当てはまるものがあれば、
必ず医師に伝えましょう。
診断するためにとても大切な情報となってきます。

④注意するべきこと

初めて失神を起こしたときは特に注意です!!
原因が分からない失神ほど怖いものはありません。

まずは病院に受診して、原因をはっきりさせましょう。
危険な失神の場合は緊急で治療する必要もあります。

また、失神をよく起こす子は、
失神を起こしたときにケガをする可能性もあります。
周りの人のサポートがとても大切になります。

※豆知識
実は、
全体の15%もの子どもが、思春期までに失神を経験します。
そのうちのほとんど(80%)が迷走神経反射で、
10%がてんかんと言われています。

多くが直接命に関連する失神ではありませんが、
中には命に関わるものも含まれるので注意しましょう。
ご心配な場合は、まずは相談してください。
ご相談はこちらからできます。

◎まとめ

初めての失神は必ず病院へ受診をしましょう!!!

親戚で突然死をした人がいる時は、特に失神には注意を。

失神が起こった状況を正確に医師に伝えましょう。

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