女の子：性の異常(出血、月経異常など)

こんにちは！

今回は「女の子の性の異常」で受診すべきかどうかについて、
詳しく説明していきます。

1 ①月経って何？？
2 ②性器出血がある
3 ③帯下(おりもの)がいつもと違う
4 ◎まとめ

①月経って何？？

月経は、「生理」とも呼ばれ、
女の子に月１回訪れるものです。(生理周期が不安定な子もいます。)
月経は赤ちゃんを作るための、大切な準備期間に起こる症状です。
排卵直前になると子宮の内膜が分厚くなり、妊娠できる準備をします。
そして、精子と出会、受精すると、子宮に受精卵がくっついて、
どんどん細胞分裂が始まり、赤ちゃんが誕生します。

しかし、
排卵しても、精子がおらず、受精しなければ、
準備期間は終了し、一旦リセットされます。
そして分厚くなった内膜が剥がれ落ちます。
内膜には多くの血管があるので、剥がれる時に出血が起こり、
これを「月経(生理)」といいます。

思春期頃に、初潮が見られ、月経が始まります。
出血量は個人差があり、多い人は貧血になることもあります。

②性器出血がある

月経以外の、性器出血の原因は色々あります。
(性器出血と思っていたら、肛門からの出血のこともあります。)

出血している場所によって、原因は変わっています。

　　・膣の入り口～膣壁
外陰炎、性行為による出血、膣炎などがあります。
炎症があったり、性行為により膣の壁が傷ついたら、
出血が見られることがあります。

　　・子宮の入り口
子宮膣部びらん、頸管(けいかん)ポリープなどが
原因としてあります。
頸管ポリープは悪性のこともあるので、
切除して調べる必要があります。

　　・子宮内
子宮筋腫などがあります。
症状がひどければ、手術で切除することもあります。

　　・子宮外妊娠
最近では、初めて性行為をする年齢が早くなっています。
ですので、異常妊娠による、性器出血も考えられます。
特に、「子宮外妊娠」は超危険！！なものです。
名前の通り、子宮以外での妊娠です。場所は卵管。
卵管という細い管で、子どもが大きくなっていくと、
卵管が破裂してしまいます。
出血も多くなり、死に直結する可能性があります。
妊娠は成立しているので、妊娠検査では「陽性」になります。
腹痛がずっと続き、子宮外妊娠が発覚することが多いです。

　　・胞状奇胎
これは、受精が上手くいかず、異常な細胞がどんどん増殖します。
赤ちゃんは出来ません。
出血などを起こすことがあり、それ自体を除去する必要があります。

以上のものが考えられますが、
特に、「妊娠による異常は命に関わることがあります。」
ですので、病院では必ず、性行為をしたかを確認します。
思春期ですと、正直に答えることが恥ずかしい場合がありますが、
とても大切なことなので、しっかりと伝えましょう。
妊娠反応検査をすることもあります。

③帯下(おりもの)がいつもと違う

そもそも帯下は、月経直後から排卵まで徐々に量が増え、
排卵期には最も多く分泌され、排卵後は減少します。

色は、「透明～白色、薄黄色」です。
帯下の色や症状によって考えられる病気が変わってきます。

　　・白色、かゆい、カッテージチーズ様
これは「膣カンジダ症」の可能性があります。
カンジダは、約5人に1人が持っているといわれています。
普通は、カンジダ菌がいても、悪さをしません。
しかし、体調不良などで、体力が落ちていると、
カンジダによる症状が出てきます。

　　・白色、かゆい、泡状の帯下
「膣トリコモナス症」が疑われます。
性行為などで感染します。
また、浴槽などでも感染することがあります。
抗生剤の治療が必要になります。

　　・透明、時々血が出る、かゆみは少し、症状が軽い
「クラミジア感染症」の可能性があります。
性行為感染症です。
症状が軽くて気が付きにくいことが特徴です。
ただし、放っておくと、肝臓近くまで感染が広がり、
右のお腹が痛くなったりもします。

　　・白色～黄色、緑色、薄茶色、かゆみがある
これは「細菌感染症」によるものです。
膣は元々、乳酸菌によって、ばい菌から身を守っているが、
何らかの影響で、乳酸菌の防御力がなくなることで、
雑菌が増え、においが臭くなります。
まずは、しっかりと下着の交換したり、入浴の間隔など見直し、
衛生面を改善することも大切です。

　　・黄色、薄茶色、膿っぽい、臭いが強い
「淋菌感染症」の可能性があります。
性行為感染症です。抗生剤での治療が必要となります。

このように、
帯下が普段と違う場合、性行為感染症がとても疑われます。
特に思春期を過ぎてくると、
パートナーとの性行為の機会も出てきます。
その時に、コンドーム装着など避妊、自己防衛をしないと、
感染症にかかってしまうこともあります。
不妊の原因にもなりかねないので、
自分の身は、自分でしっかり守りましょう。

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