「低身長」の検査・治療は??
こんにちは!
今回は「低身長の検査・治療」について、
分かりやすく解説していきます。
「低身長の定義・原因」については、
こちらで詳しく載せてあります。
①「低身長」の検査は??
検査をする前にとても大切なことがあります。
・母子手帳
・保育園・幼稚園・小学校の身長・体重計測記録
これを元に検査がスタートします。
受診の際は忘れずに!!
検査は以下のものを行っていきます。
□血液・尿検査
簡単にできる検査であり、たくさんの情報も得られます。
電解質(Ca、Pなど)、甲状腺ホルモン、下垂体ホルモン、
IGF-1(インスリン様成長因子)、炎症反応、腎機能、…
など、これだけでも分かる病気が数多くあります。
□手のレントゲン
手のレントゲンを撮ることで骨年齢が分かります。
骨年齢は骨の成熟度を現わしており、
身長など人の成長は、骨年齢にかなり関わってきます。
骨年齢が成熟してしまうと、身長は伸びなくなってしまいます。
治療開始時期や、治療継続を判断する重要な情報となるので、
定期的に撮影していきます。
□頭部MRI
成長ホルモンは主に「下垂体」から分泌されます。
下垂体に脳腫瘍などの異常があれば、分泌が減少し、
低身長の原因となることがあります。
その場合、その他の下垂体ホルモンにも影響が出ることが多く、
体に様々な症状が出ることが多いです。
□染色体検査
特に、低身長を認める女の子を対象に行っていきます。
(男の子でも染色体異常を疑うときは行う場合はあります。)
ターナー症候群などが分かることがあります。
□成長ホルモン負荷試験
負荷試験とは、薬を使うことで、
成長ホルモンが正常に分泌されるかを判断する検査です。
薬を投与して、成長ホルモン分泌を刺激して、
ホルモンが正常に出るかを確認します。
正常に分泌される場合は、成長ホルモン注射の適応ではありません。
分泌されていないときは、治療適応となります。
②「低身長」の治療適応は??
低身長に対する成長ホルモン治療は、
自費負担ですと、数百万円以上かかるものとなります。
とても高額な医療なので、
保険適応がないと継続は中々厳しいものとなります。
保険適応のある病気は以下のものです。
□成長ホルモン分泌不全性低身長症
・骨年齢が、男子17歳未満、女子15歳未満
・身長が「-2.0SD」以下
・成長ホルモン分泌不全による低血糖がある
・頭蓋内病変または、下垂体ホルモン分泌不全がある
・成長ホルモン負荷試験で分泌不全を認める
□SGA性低身長症
・3歳以上
・骨年齢が、男子17歳未満、女子15歳未満
・身長が「-2.5SD」以下
・成長ホルモン負荷試験で分泌不全がないか確認する
→分泌不全がある:成長ホルモン分泌不全性低身長症
分泌不全がない:SGA低身長症
□ターナー症候群
・女の子かつ、骨年齢が15歳未満
・身長が「-2.0SD」以下
・染色体検査で診断
□Prader-Willi症候群
・骨年齢が、男子17歳未満、女子15歳未満
・身長が「-2.0SD」以下
・染色体検査で診断
・糖尿病になっていない
・上気道閉塞または、睡眠時無呼吸がない
□ヌーナン症候群
・3歳以上
・骨年齢が、男子17歳未満、女子15歳未満
・身長が「-2.0SD」以下
・身体的特徴+遺伝子検査で診断
□慢性腎不全
・骨年齢が、男子17歳未満、女子15歳未満
・身長が「-2.0SD」以下
・採血で血清クレアチニンの値を確認する
□軟骨異栄養症
・3歳以上
・骨年齢が、男子17歳未満、女子15歳未満
・身長が「-3.0SD」以下
・身体的特徴が当てはまる
・遺伝子検査をすることもある
③「低身長」の治療内容は??
1日1回、入浴後や就寝前に、お尻や太ももに注射をします。
注射器は専用のペン型のものとなっており、
「皮下注射」となります。
痛み自体はそこまで強くなく、投与量も少量ですが、
小さい子は暴れたり、泣いたりして大変です。
また、月1回程度診察をして異常がないか確認し、
1年に数回、採血やレントゲンなどを行い、
副作用がないか、骨年齢はどの程度かなどを確認します。
毎日の注射で、なかなか最初は大変とお聞きしますが、
その分、身長は着実に伸びていきますので、
治療を毎日継続するご両親が多いです。
◎まとめ
検査の種類が沢山あるので、診断までに少し時間がかかる
治療適応がないと、莫大な費用がかかり、治療が難しい
治療は毎日注射をするので、継続するのが大変です
しかし、身長は確実に伸びます
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