細菌vsウイルス:違いって何??
こんにちは!
今回は「細菌とウイルス」に関して、
よく聞かれるフレーズをもとに解説していきます。
①細菌とウイルスの違いって何ですか?
子どもの感染症を大きく分けると、
ほとんどが「細菌」または「ウイルス」によるものが多いです。
(中には真菌による感染症もありますが、特殊なので説明は省きます。)
「違いがよく分かりません」と、よくお聞きするので、
簡単に説明します。
細菌:
サイズが比較的大きいので、普通の顕微鏡で見ることが出来ます。
また、最大の特徴は、自分の力で増殖できます。
感染する時は、人の体の中で細胞分裂をすることで自己増殖して、
細胞に侵入するか、毒素を出して細胞を攻撃します。
ウイルス:
サイズが小さいため、普通の顕微鏡だと見れません。
また、細菌と違い、自分では増殖できません。
人や動物の細胞を利用して、自分のコピーを大量に作り、
そして次の細胞にどんどん移っていきます。
②治療方法は違いますか?
「細菌」も「ウイルス」も抗生剤で治ると思っていたと、
お聞きすることがよくあります。
先ほど説明したとおり、
「細菌」と「ウイルス」の構造も全く違うものなので、
治療も大きく変わってきます。
細菌:
細菌は自ら増えることが出来る構造となっています。
なので、逆にその増える過程をブロックしてしまえば、
増えることが出来ず感染力も強くなりません。
そこで使われているものが、「抗生剤」となります。
細菌感染症はウイルスに比べて重症になりやすい一方で、
抗生剤という治療薬があるというメリットも存在します。
抗生剤もいろいろな種類があるので、
1つ目がダメでも、2つ目というように、
さまざまな選択肢があるのがメリットです。
ウイルス:
ウイルスは直接人の細胞の中に寄生しているため、
薬でそれを直接倒すことはできません。
なので、寄生する前に、侵入を防いだり、
寄生しても大量のコピーを作らせない必要があります。
しかし、それがとても難しいことであり、
今でも様々な研究が続けられています。
細菌とは違い、ウイルスで重症化することは少ないので、
薬はあまりありませんが、そこが救いとなります。
基本的には、細胞の中にウイルスが寄生すると、
体が異物を取り込んだと認識して、
それを排除するように働きます(これを免疫といいます)。
例えば、
インフルエンザウイルスの予防接種を多くの人が受けていますが、
これも治療ではなく、予防するものです。
インフルエンザに対する免疫力を、かかる前に高めることで、
実際にかかっても、すぐに対応できるため、
症状が出ない、または症状を軽くすることが出来ます。
以上が、「ウイルス」に対して「抗生剤」が効かない理由です。
人に対する「ばい菌(異物)」という点では同じですが、
生き物として全く別物となります。
③何に気を付ければいいですか?
細菌とウイルスは全く別物ですが、
どちらも体が弱っている時にかかりやすくなります。
免疫が落ちていると、
体から細菌やウイルスといった異物を排除する力が落ち、
感染症にかかりやすかったり、重症化しやすくなります。
そうならないためにも、
食事はきちんと3食、睡眠時間もきちんと確保するなど、
規則正しい生活を心がけましょう。
また、手洗い、うがいは、感染予防になりますので、
心がけましょう。
④細菌とウイルスを見分けれますか?
ある程度見分けることが出来ます。
一日の熱の変動(熱型) 採血検査 培養検査
などで、「細菌」なのか「ウイルス」なのかは判断できます。
細菌に関しては、
培養検査といって、直接その菌を特殊なキットで繁殖することで、
なんの菌かを判断することが出来ます。
ウイルスに関しては、
人や動物に寄生して増えるものであるため、
キットなどで繁殖させて、ウイルスを特定することはできません。
また、よく知られていないウイルスも無数にあるので、
何のウイルスかよく分からないことの方が多いです。
しかし、基本的には勝手に免疫で治ってしまうので、
問題視されていません。
(新型コロナウイルスはウイルスの中では、珍しく重症化します。
なのでとっても問題となっております。
しかし、子どもでは重症化はほとんど起こらないので、
そこまで心配することもありません。)
◎まとめ
「細菌」と「ウイルス」は別物
治療方法も全く異なります
検査で「細菌」か「ウイルス」かはだいたい区別がつきます
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